本当にあった怖い話4~web屋の怪談~

いつからあるかわからないんですけど、ずっと部屋に置きっぱなしの人形があったんです。

ちょっと古くさいけど、けっこうかわいい子ぐまの…。

「これ、昔からあるよね?誰のなの?」

家族に聞いても、

「さぁ、昔からあるからねー。もう誰のものか分からないけど、そのまま置いてある。」
「ずっとあるし、わざわざ捨てることもないでしょ?」

そう言われただけで、誰も気にしている様子はありませんでした。

ある夜。

カタ…

小さな物音がしました。

気のせいだと思い、眠ってしまいました。

でも、翌朝。

人形の向きが変わっていました。

「昨日、こんな向きだった?」

誰に聞いても、

「知らないよ?」
「気のせいじゃないの?」

そう笑って、気にもしませんでした。

けれど、その日から、夜になると家の中で小さな物音が聞こえるようになりました。

次の日。

人形は玄関にいました。

「誰かが置いたのかな?」

その次の日には階段に。

また次の日には、私の部屋の前。

誰も動かしていないと言うのに…。

わたしは気味が悪くなって、人形を捨てようとしました。

でも、

捨てたはずなのに、翌朝にはわたしの部屋の前にいる…。

何度捨てても。

何度片付けても。

気が付けば、またそこにいるんです。

わたしの部屋の前に。

…そういえば、Webの世界にも、よく似た話があります。

これは、私が管理しているWebサイトの話です。
あなたの会社のWebサイトやサーバーにも、ありませんか?

「昔からあるから」「誰のか分からないけど、消していいのかわからないから」「別に、害はないから」と、管理者権限を持ったまま、ずっと放置されている忘れられた人形のようなアカウント。
もちろん、使われていない管理者アカウントがあるからといって、必ず問題が起きるわけではありません。何年もそのままでも、何にもないこともあります。
でもだからと言って、「誰のものか分からない」「誰も管理していない」管理者権限を、本当にそのままにしておいていいのでしょうか。
そしてもし、不要なはずの管理者アカウントが削除できなかったり、削除したはずなのに再び現れたりするのであれば、それはサイトが不正に改ざんされている可能性も考えられます。

気付けばいつも、わたしの部屋の前にいた人形。

あの日、

わたしは人形を放置しませんでした。

あのまま置いていたら、どうなっていたのか。

今となっては分かりません。

でも、知らないままでよかった、と今でも思っています。