本当にあった怖い話3~web屋の怪談~

わたしは毎朝、鏡を見るのが習慣でした。

顔を洗って、髪を整える。

いつもと変わらない朝。

でも、その日は違いました。

鏡の中のわたしが、瞬きしたのを見たんです。

わたしより、一瞬早く…。

その時は気にも留めませんでした。

恥ずかしながら、朝はいつもバタバタしているので、その日もいつも通り出かける準備をして、大急ぎで家を出ました。

翌朝も、わたしは鏡の前にいました。

「今日も1日がんばろう」

そう思って、鏡の中の自分見たんです。

すると、鏡の中のわたしが笑ったのです。

一瞬だけ…。

最初は気のせいだと思うようにしていました。

でも、日を追うごとに、その違和感は無視できなくなっていきました。

髪を整えようと手をあげると、鏡の中のわたしは少し遅れて手をあげる。

口を閉じているのに、鏡の中のわたしはかすかに口を開けて何かを呟いている。

鏡の中のわたしが勝手に動いて、わたしと少しずつズレていく…。

やがて、鏡の中のわたしは、わたしより自然に笑うようになりました。

ある朝。

いつものように鏡の前に立った瞬間、世界が反転しました。

気が付くと、わたしは鏡の中にいました。

鏡の外側では、わたしが朝食を食べ、家族に笑いかけ、スマホを見ていました。

わたしの顔で。

わたしの声で。

わたしの名前で。

あの日、わたしは鏡の中へ追い出されました。

部屋の中では、わたしの顔をした”何か”が仕事をし、友人と話し、家族と笑っていました。

誰一人、気付きませんでした。

もちろん、これは鏡の話ではありません。
私が管理していたホームページの話です。

ログには、確かに”わたし”がいました。
でも、それはわたしはではありませんでした。

※この話は、実際のホームページ管理で経験した出来事をもとに、一部演出を加えて構成しています。