「IT担当の◯〇さんが辞める」その時、ホームページは“開かずの間”になる

「担当者が辞めて、わからなくなってしまったんです…」

こうした相談を多くいただきます。

「ITに詳しい担当者がいるから大丈夫」
そう思っていたのに、その人が会社を去った瞬間、ホームページが誰にも触れないブラックボックスに変わってしまう。

👉【中小企業のITあるある|笑えないけど、けっこう当てはまる話】

円満に退職しても起きるトラブル

引き継ぎが不十分だと後からこんなトラブルが噴出します。
「ホームページが更新できない」より、もっと地味で危険なトラブルが多いです。
私が実際にお客さまから聞いたのは、
◆「個人のGmail」に紐付いた管理権限
ドメインやサーバーの更新通知が、辞めた人の個人アドレスに届く設定になっていて、ある日突然サイトが消えてしまった。
➡大至急、辞めた担当者に連絡して、パスワードなどを聞き出さなければなりません。「二段階認証」のとび先の設定も要確認です。

◆「その人にしかわからない」複雑な設定
良かれと思ってその人が導入した特殊なツールや、独自のこだわりで組んだシステムが、複雑過ぎて引き継げない。
➡複雑過ぎたため一から作り直しが必要で、費用も掛かりました。

◆「定額の支払い」が止まらない、または、止まる
その人しか知らないサービスにお金を払い続けていた。逆に支払いができておらずドメイン(会社のURL)を失ってしまった。
➡同じドメインを取り戻せませんでした。

他にも、
・ログイン情報が分からない
・サーバーに入れない
・更新できない
・メール設定が触れない
・SNSの管理権限がない
といった基本的なことから、
・「とりあえず契約したツール」が大量に残っている
・バックアップの場所がわからない
・外注先との契約内容が不明で、どの会社に何を支払っているのか分からない
・AIツールや画像素材サイトが個人契約だった
・広告だけ動き続けていて、毎月課金されていた
などなど。

しかも怖いのは、しばらくは問題なく動いていることです。

だから、発見が遅れて、気付いた時には、
・データ消失
・ドメイン失効
・メール停止
まで行ってしまうケースもあります。

👉【社内に「ITに詳しい人」がいる会社の落とし穴|それ、ほんとに大丈夫ですか?】

まず確認したい「Webの鍵」

Web担当者が辞めると決まったとき、あるいは辞めてしまった直後に取り組むべきことは、情報の修正」ではなく「鍵の回収」です。
後任探しやサイトの更新は後回しで構いません。まずは、会社のWeb資産へアクセスするための「入口の鍵」を確保してください。

例えば、次のようなものです。
◆ ドメイン管理情報
会社のURL(example.comなど)を、誰がどこで管理しているか。
これは“ネット上の土地の権利書”に近いものです。
更新通知が元担当者のメールに届いているケースも少なくありません。

◆ サーバーのログイン情報
ホームページやメールが動いている場所です。
ここに入れなくなると、
・サイト更新
・メール設定
・バックアップ
など、多くの操作ができなくなります。

◆ Google系サービス
意外と盲点です。
・Google Analytics
・Search Console
・Googleビジネスプロフィール
・Google広告
などが、元担当者の個人Gmailで管理されているケースがあります。
「ログインできない」が起きやすい部分です。

◆ メールアカウント
info@〜 や contact@〜 など。
特に、
・転送設定
・迷惑メール設定
・パスワード管理
は確認必須です。
退職後も元担当者にメールが届いていた、というケースは実際あります。

◆ SNS・LINE公式
Instagram、Facebook、X、LINE公式など。
「投稿できない」だけでなく、
・管理者変更できない
・広告停止できない
・乗っ取り対応できない
という問題にも繋がります。

◆ 契約・支払い情報
これも非常に重要です。
・どの会社に
・何の費用を
・毎月いくら払っているのか
把握できていますか?
「よく分からないけど毎月引き落とされている」
という状態、かなり多いです。

◆ バックアップの有無
もしサイトが消えたとき、復旧できる状態かは非常に重要です。
でも実際には、「バックアップ取ってると思ってました」で止まるケースもあります。

ポイントは「Webの合鍵」を作っておくこと

中小企業の経営において、特定の一人に業務が集中するのは仕方のない面もあります。
しかし、Webサイトは会社の「顔」であり、重要な「資産」です。

本来、Webサイトは「担当者に依存」するのではなく「仕組みに依存」させるべきものです。
誰が担当になっても、あるいは外部の業者に依頼することになっても、スムーズに「合鍵」を渡せる状態にしておく。これが、会社として管理ができているということになるのです。

もし今、IT担当者がいるのなら、以下の3点だけは「会社の資産」として明確に管理しておいてください。
◎ドメイン・サーバーのログイン情報(IDとパスワード)
◎管理用メールアドレス(個人用ではなく、info@〜などの会社用アドレスにする)
◎使っているツールの契約一覧(どこに、いくら払っているか)
これさえあれば、万が一のことがあっても、私たちのような外部のプロがすぐにサポートに入ることができます。

「動いている」と「管理できている」は別です

Webまわりの問題は、普段は表に出てきません。
だからこそ「ちゃんと動いているから大丈夫」と思ってしまいがちです。

でも実際には、
・誰が管理しているのか
・どこで契約しているのか
・誰がログインできるのか
これが曖昧なまま運用されているケースは少なくありません。

そして、それが表面化するのは、多くの場合「担当者が辞めた時」です。

担当者が悪いわけではありません。
忙しい中で「まず動かす」ことを優先した結果、気づけば“その人しか分からない状態”になっていた。
これは中小企業では本当によくあります。

大切なのは、“詳しい人がいること”ではなく、“会社として管理できていること”。

もし今、「実はよく分かっていないかも…」と思ったなら、それは見直すタイミングかもしれませんね。

難しいシステム導入より先に、まずは「Webの合鍵」を作るために、
・何があるのか
・誰が管理しているのか
・どこに情報があるのか
を整理するだけでもやってみましょう。

👉【IT担当者がいない会社でよくある問題と対策】

「合鍵」を作るときの注意点

もし、これらを確認しようとして「どこにログインすればいいか分からない」「パスワードがどこにも記録されていない」という状態であれば、その時こそが私たち専門家の出番です。

無理にこじ開けようとすると、ロックがかかって余計に事態が悪化することもあります。

「辞めた担当者と気まずくて連絡が取りにくい」
「何が必要なのか、聞き出すリストを作ってほしい」

そんな段階でのご相談も、DGインデックスではお受けしています。
大切なのは「個人の頭の中にある情報」を「会社の資産」として取り戻すことです。

まずは、お手元のメモやメールを確認するところから始めてみてください。もし不安があれば、サポートさせていただきます。